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ジョーダン・キズックの「マイ・リトル・ガーデン」
ジョーダン・キズック Jordan Kiziuk

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国際アンデルセン賞受賞作家ウリ・オルレブの半自伝的作品『壁のむこうの街』の映画化『マイ・リトル・ガーデン
第二次世界大戦中のポーランド、ワルシャワ・ゲットー(ユダヤ人隔離居住地区)に隠れ住むユダヤ人の11歳の少年アレックスが、ナチスの強制連行中に逃げ、たったひとり廃墟で父親を、何ヶ月も待ち続け、生き延びる。是非とも推薦作品です。
メルヘンな映画を連想してしまう邦題に、もの凄く疑問を持つ。なぜにユダヤ人隔離居住地区を可愛らしい庭に??

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児童文学作品『壁のむこうの街』の作者ウリ オルレブ Uri Orlev は1931年ポーランドで生まれ、第二次世界大戦勃発後、ワルシャワ・ゲットーで過ごし、母の死後、ポーランド人区で匿われ、その後ベルゲン・ベルゼン強制収容所で終戦まで約2年間過ごし、後にイスラエルに移住し作家となった。ホロコーストを少年時代に体験した彼の自伝的児童書では『壁のむこうの街』『走れ、走って逃げろ』『壁のむこうから来た男』『砂のゲーム―ぼくと弟のホロコースト』などがある。

他にホロコースト生存を題材にした少年出演の作品で『ライフ・イズ・ビューティフル』(アカデミー主演男優賞、外国語映画賞、カンヌ国際映画祭グランプリ)がある。父と共に強制収容所に連行された少年ジョズエが、父の機転により生き延びるという作品。ジョルジオ・カンタリーニ(Giorgio Cantarini)が演じたジョズエはアレックスより幼い5歳位の少年である。ジョズエは父親に収容所の生活をゲームだと思いこまされ収容所内で隠れ住む。あどけなく愛らしいジョズエは、父に助けられ何も知ることなく生き延びる。同時期に公開されたこの作品は大絶賛され注目を浴びたが、個人的には、目立つ作品でないが『マイ・リトル・ガーデン』の方を圧倒的に肩入れしてしまう。

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主人公の11歳の少年アレックス役には、ジョーダン・キズック
少年の演技に、今までこれ程感動したはないと言える。
痩せていて青白い顔をした美少年の彼は、見た目より幼い声を持つ。か細く、可愛らしい声である。出演当時の年齢は分からないが、無邪気な笑い方で、やはり幼い少年なんだと思う。非常に難しい役を演じた彼は、ベルリン国際映画祭新人賞を受賞と高く評価されている。だが出演作品はこの映画だけで、俳優として非常に惜しいと思う。
国籍、生年月日は不明、英語圏のイギリスか?1986年生まれの現在21歳位?と予想。

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ナチス占領下のポーランド
ゲットーで父親と年老いた叔父と暮らすユダヤ人の少年アレックス
真っ白な二十日鼠の"スノー"を友達にし、愛読書「ロビンソン・クルーソー」を毎日読むことが、外で遊べず隠れて暮らす退屈な日々を送るアレックスの唯一の楽しみである。
ナチス軍は日々「選別」を行い、強制収容所に連行する。労働能力のある男性以外の「選別」の対象、老人、女性、子供達は隠れ家で暮らす。だがとうとう、ユダヤ人完全一掃が始まり、父親と叔父の働く工場も閉鎖され、密告によって一家も強制収容所に連行されることとなった。

「待ってってくれ 何があろうと必ず戻る」と父親
「通りに出るな 隠れて待て」
「いつまでもだ 必要なだけ待て 父さんが迎えに来る 必ずだ いいな?」
と叔父

叔父が犠牲となり注意を引き付けた隙に、アレックスは列から走って逃げ、追って来るドイツ兵から身を隠すのだ。
そして、いつ迎えに来るか分からない父親の言葉を信じ、たったひとり、スノーと共に、何日も、何ヶ月も父親を待ち続けるのだ。
強制退去の後の、ひっそりと静まったゲットーに戻り、ひとり佇む小さなアレックスは、大丈夫かと見ていて不安になる。
ゲットーの廃墟となったアパートの瓦礫の下の隠れ家に身を隠すが、ゲシュタボの捜査の危険も及びやすい。同じように隠れ暮らしていたユダヤ人家族が、仲間の密告により連行されるのを目撃する事もあった。

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ある時、水の代わりに飲んだお酒で酔っ払ったアレックスは、父親と叔父の幻影を見る。

     「アレックス 俺の勇敢な息子」
     「戻ると思ってたよ」
     「叔父さんも無事だったんだね?」

     「何の これしき 豹は木の上まで追ってこん」
     「叔父さんの教えを守れば 金持ちになれる」
     「それには我慢も必要だぞ」

それは、束の間の儚い幸せな夢。無邪気に笑うアレックスがせつない・・・
現実に戻るが、アレックスは、叔父の言葉に生き抜くヒントを得る。
良い隠れ場所を思いつくのだ。
崩れかけたアパートの上の階には誰も登れない。
廃墟の階段の手摺りを切り出した木と、父と叔父の職場だった工場の縄のロープを使って、梯子を作るのだ。
廃墟の上の階の流しの下の戸の奥の隠れ家。
父親と叔父の写真を壁に貼り、スノーと遊び、愛読書「ロビンソン・クルーソー」からも勇気と知恵を貰い生活を始める。
ユダヤ人強制撤去後の家から生活に必要な服や食料などを手に入れる。貴重な水の確保もできた。少しずつだけど、小さなアレックスが逞しくも見える。
ゲシュタボの恐怖、同じユダヤ人からの略奪、ポーランド人の少年達からの迫害、と危機に直面するが、その度に切り抜ける。緊迫感は、ずっとある。

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孤独なアレックスも、人と交流を持つ事があった。
負傷したユダヤ人男性ヘンリックを助け、看病するのだ。そして、双眼鏡で向かいの建物に医師が住んでいる事を知っていたアレックスは、医師を尋ね、ヘンリックを助けてもらう。動けないヘンリックに代わって、秘密組織の神父にも会いに行く。裏切り、密告する身近な人達の悲しい性を思い知らされる中、幼い少年アレックスの勇気と優しさを感じるところでもある。また、アレックスにとって、ヘンリックは父親のような温かい存在だった。そしてヘンリックの冗談に無邪気に笑うアレックスを見て、こんな幼い少年が、たったひとり孤独に耐え、生き抜いていたんだと改めて思う。
そしてアレックスは、向かいの建物に住む少女スターシャに淡い恋心を抱く。

アレックスは、生きる事に必死に縋っているようでは無いと思えた。チャンスは来る。ヘンリックに一緒に逃げようと誘われるが、行くことを選ばなかった。また、スターシャが移り住むことになった田舎にも誘われるが、やはり行かない。父親を待つことを選ぶのだ。戻ってこないかもしれない父親を待ち続けるのだ。正しい選択ではないかもしれない。だけど決して見失わず、意志をしっかりと保つ芯の強さを感じた。

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ユダヤ人というだけで、いつ訪れるか分からない死の恐怖に怯え、友達を作ることも儘ならない不条理な時代、なんともやり切れない気持ちになったこの映画。
なんといっても、大半を占めた一人芝居を演じたアレックス役のジョーダン・キズックにの演技に深く感動し、彼の表情ひとつひとつ、ずっと心に残る作品です。
淡々と静かに、でも恐怖や、不安や、淋しさが伝わる、非常に洗練された作品である。そして繰り返し流される、切なく哀しく美しいメロディーが、淋しく響き、いつまでも耳に残る。

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      初めは水平線のゆらめく 蜃気楼のようだった
      それが ゆっくりと 少しずつ近づいてきて
      やがて姿を現した
      美しい船
      帆を揚げ 旗をなびかせ
      僕の島へ
      僕を助けに
      僕は うちへ帰る


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マイ・リトル・ガーデン』 The Island on Bird Street
1997年 デンマーク ドイツ イギリス
監督 ソーレン・クラーク=ヤコブセン
出演 ジョーダン・キズック パトリック・バーギン(父親ステファン) ジャック・ウォーデン(叔父ボールク) シアン・ニコラ・リコリッシュ(スターシャ) シモン・グレゴーア(ヘンリック)
1997年第47回ベルリン国際映画祭ニ部門受賞(新人賞、銀熊音楽賞)
1997年イタリア・ジフォーニ映画祭最優秀国際映画賞受賞

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Thema: 美少年 - Genre: 映画

【2007/01/09 02:47】 | ジョーダン・キズック | Trackback(0) | Comment(2) | page top↑
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